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日本の成人、問題解決能力トップクラス

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 OECD(経済協力開発機構)は10日、国際成人力調査(PIAAC)の結果を公表した。加盟国などの読解力、数的思考力、問題解決能力などを調べた。日本は全項目でOECD平均を大きく上回った一方、高等教育で「STEM」と呼ばれる科学・技術・工学・数学分野を学んだ女性の割合は最下位だった。
 調査は2022~3年に実施。31の国や地域の16~65歳が対象で、日本は5165人が参加した。今回が第2回。第1回は2011~2年に行った。調査対象者をそれぞれの得点により、読解力、数的思考力をレベル5~1未満の6段階、問題解決能力をレベル4~1未満の5段階で評価している。
 各国・地域の平均得点を比べると、日本は読解力、数的思考力でフィンランドに次ぎ2位。韓国やシンガポールより上だった。問題解決能力もフィンランドと並び1位で、韓国を上回っている。
 日本の平均得点は、読解力が289点、数的思考力が291点、問題解決能力が276点。いずれもOECD平均より20点以上高かった。
 読解力でレベル4以上の割合は23%(OECD平均12%)、レベル1以下は11%(同26%)。数的思考力は、レベル4以上が25%(同14%)、レベル1以下が10%(同25%)。問題解決能力は、レベル4以上が10%(同6%)、レベル1以下が12%(同30%)だった。
 日本の回答者のうち、STEM分野の学位取得者は20%強で、オランダに次いで2番目に低かった。シンガポールやドイツは35%を上回った。STEM分野の大卒者のうち、女性の割合は15%程度。ポルトガルが最も高く40%弱だった。
 OECDは、日本の状況を「興味深い。PIAACやPISAを見ても、STEM分野で男性より女性が劣っているわけではない。スキルがあってもその分野に進まない。ロールモデルを示したり、志望動機を持ちやすくしたりする必要がある」と分析した。

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