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一刀両断 実践者の視点から【第612回】

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論説・コラム

芸術作品の破壊

 中学生が芸術作品を破壊し、自治体が損害賠償金を支払うという記事がある。恐らく生徒は意図的に破壊したのだろうから、市の税金で支払うとい対応は納税者として納得できるものだろうか。
 修学旅行先での破壊行為だったとのことで、この生徒は三年生であり、分別がつくはずである。単に、ふざけて壊したで済ませるわけにはならないだろう。
 こうした行為に及んだ場合、社会奉仕活動を対価分にさせないのはなぜだろうか。
 義務教育段階ではあるが、この対応は明らかに度を越している。
 同じように芸術作品を汚して自分たちの主張をする輩とは同じ行為でも主張が異なる。
 先日は靖国神社にトイレとペンキで吹きつけた青年が捕まった。海水への汚染に抗議したと言うが、これも刷り込まれた情報すなわち教育によるものなのである。
 破壊行為を防ぐにはどうすればよいのだろうか。教育の効果がなかったからこうした現象が現れたと見るべきではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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