熊本市教委、部活動は存続
NEWS 熊本市教委は令和9年度以降の公立中学校部活動の方針案を公表した。学校には部活動を残しつつ、拠点校方式や、希望する教員・地域人材に指導を担ってもらう「地域連携」を進めていく。同市では今後、市議会での議論などを経た上で本年度末に正式に決定する。
有識者会議が今年3月にまとめた答申を基に今回、市の方針の素案をまとめた。答申では部活動を継続する方針を掲げている。同市では部活動に代わって生徒が活動する場として総合型地域スポーツクラブなどが足りていないとの認識だ。
少子化の進行で、部員数の減少や部活動の選択肢が限られている現状があることから、子どもたちのスポーツ・文化芸術活動の機会を保障するため、本年度から始めた拠点校部活動をさらに進める。
部活動数は適正化し、市内には現在569部があるが、400部程度にする。また、多様なニーズに対応できるクラブを創設する。平日のみで1~2日活動し、シーズン制で複数種目を体験できるようにする。
指導者は希望する教員や地域人材を確保する。人材バンクを設置し、1600人程度集めることを目指す。
一つの部に4人程度の指導者を置く。複数人でローテーションを組んで指導に当たる。指導者には今後、顧問に時給1600円を、副顧問には時給1000円を支払う他、通勤手当も距離に応じて支給する。
指導者報酬や人材バンク運営関係費用には年間6・5億円程度を見込み、月3000円程度の受益者負担や、企業・団体からの寄付などで賄う。協力した企業には、練習着などへの企業ロゴの掲出や、企業名を冠した大会の実施といった特典を想定している。