デジタル教科書推進WG 併用継続、望む声強く
NEWS 中央教育審議会のデジタル教科書推進ワーキンググループは21日、第3回の会合を開き、有識者からのヒアリングを実施した。「紙かデジタルかを国が判断することは非現実的。学校現場に判断を委ねることができる環境づくりが重要だ」などとする意見が出された。ヒアリング後の議論でも、紙とデジタルの併用を今後も続けていくことを求める声が上がった。
ヒアリングで、エドテック企業リブリーの後藤匠・代表取締役CEOは今後のデジタル教科書の位置付けについて「基礎的な教育内容の履修を保障する上でテクノロジーが貢献できる範囲は大きい」として、将来的にデジタル教科書が主流になるとする見方を示す一方、多様なニーズが存在する学校に対してデジタル教科書を強要しても好ましい結果を生まないと指摘。学校がどちらかを自由に選択できる環境をつくることが望ましいとした。
ペンシルバニア大学のバトラー後藤裕子教授は研究をもとにスクリーン上と紙との読みの違いを指摘。「説明文では紙の読解が優位」「多読ではデジタルでの読みの効果が大きい」などと報告し、それぞれのメリットを生かした使い方が必要だと訴えた。
委員による議論では、教科書採択のスケジュールを踏まえて、早急に結論を出すべきだとする意見が出された。デジタル教科書の位置づけについて「ハイブリットを認めていく時期だ」との声が多かったが、「紙を支持している子どもたちも、その方が慣れているから、というだけの理由もある」などの指摘もあった。