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一刀両断 実践者の視点から【第607回】

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酩酊しやすいなら自己申告を

 佐賀県内の公立中学校に勤めていた男性教諭がセクハラで懲戒免職になったという。記事によると、懇親会の場で女性教職員に何度もキスをしたとのことである。あまりの低レベルで呆れた。
 懇親会なのに周りの職員が違和感を持たなかったのか。不思議でならない。
 県教委は各市町の教育委員会と県立学校の校長宛に綱紀粛正の通知を出し、校長会や研修会などでの指導を徹底して再発防止に努めるとのことであるが実効性は疑わしい。
 お酒が如何に入ろうとまで理性を失い欲望のままに行動するのは節操の無い本性を剥き出しにする行為であって理由にはならない。
 残念ながらこうした行為は氷山の一角であり泣き寝入りになっている事が多いはずである。事後処理の甘さもあり懲りないだろう。
 興醒めにはなるが乾杯の前に、「節度を守って楽しく飲みましょう」と全員で声に出して言ってからの方が文書や研修会よりも効果があるのではないだろうか。
 特に酩酊しやすい者は自己申告させて監視してもらうようにするとよい。それは如何に飲もうとも周りにも分かるようにしてしまえば他の目を意識する事になり礼節は守れる。その常識の範囲で社会人として楽しく飲めばいいのである。
 仮に宴会モラルリーダーを決めてから懇親を深めるのも一考ではないだろうか。こうした事で失った信頼はあまりに重く脳裏に焼き付くものである。
 葉隠の佐賀情けないぞ!我が故郷。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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