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一刀両断 実践者の視点から【第605回】

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戦争に加担した者の罪

 ナチス時代のドイツで大量殺戮にかかわったとして、当時18歳だった女性に有罪判決が確定したという。今も続いている殺戮の結果として学ぶべき事である。
 確かにその場にいた事で好むと好まざるに関係なく加担してしまったのだろうが、失われた人命への責任は問われていく事になる。反面、大勢に贖って抵抗したとしてもその流れは止められなかっただろう事は理解できる。日本は敗戦国となった歴史から実験として使われた原子爆弾による無差別殺人や極東軍事裁判など勝者の歴史に洗脳されている現在がある。
 知らされている歴史が敗者の視点からの歴史ではない事をしっかりと学ばねばならない。その意味では事実と事実の違いやクリティカルシンキングと言われる批判的思考を養いながら、世界の動きや政治の動きを人命という視点で捉えて考える必要がある。
 子供達が爆弾で手足を失い横たわる写真を見ても心を痛めないのが戦争という魔物である。それを野放しにしているのも私たちなのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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