インテル FAN MEETING by TEACHERS 現職教諭が語り合うクリエイティブな活動を支援するハイエンドPCへの期待
14面記事左から島田氏、能城教諭、宮坂教諭、村松教授(小松教諭はオンライン参加)
GIGA端末の更新では、AIやプログラミングなど高度な学習に対応するため、より高い処理能力を備えたPCを導入する機運が高まっている。今回のファンミーティングでは、ICT教育の実践に長けた高校教員3名が参加。信州大学の村松浩幸教授をコーディネーターに、ハイエンドなPCを活用することで実現する、これからの新しい授業づくりへの期待を語り合った。
生徒の思考を止めない、アイデアが形になる
インテルでは、GIGA端末の更新に向けて必要最低限な性能・能力を備え、コストパフォーマンスに優れたCPUを搭載したPCを提案するとともに、マルチタスクが増える中学・高等学校に対してはより性能の高いPCを推奨している。他方、こうしたICT環境を授業で有効に活用してもらう必要があるため、STEAM教育やPBL教育で効果的にICT環境を活用してもらうためのフレームワーク「InTel Skills for Innovation」を提供し始めている。
さらに、ハイスペックなPCを活用した課題解決能力を育成する場として、これまで全国19校に「STEAM Lab」の整備を支援。その一校である都立三鷹中等教育学校の能城茂雄教諭は「ハイスペックなPCがあると、生徒のアイデアや思考を止めることなく具現化できる。情報科だからというより、今の社会の中で必要な力としてPCを使うという発想に変化してきた」と生徒の変容を挙げた。
これを受け、DXハイスクールの採択を契機にハイスペックPCの導入に意欲を示す都立小平高等学校の小松一智教諭は、「今使っているPCの性能では高負荷で難しかった動画編集やデザインの作成、情報Ⅱではディープラーニングの体験など、今までとは違う取り組みにチャレンジしていきたい」と話した。また、長野県松本県ケ丘高等学校の宮坂正議教諭も「GIGA端末では物足りず、自分でPCを購入する生徒もいる。例えば社会課題を解決するアイデアを形にするときも、3Dプリンターを使えば容易に試作・検証が可能。作業のハードルが低くなれば、その先の挑戦が見えてくる」と指摘した。
社会で通用する道具で本物の学びを
今後、整備していきたいPCについては「プロ仕様のノートPCを10台くらい導入して、グループごとの協働的な学びに活用したい」という小松教諭に対し、「これからは本校でもAIの活用に取り組む必要があることから、生成AIや画像編集に対応した処理能力を持つインテル社のCore Ultraプロセッサーを搭載したPCも視野に入れている」と宮坂教諭。
一方、「社会で使われている本物の道具を生徒に体験させたかった」という思いから整備を進めてきたのが能城教諭だ。それゆえ、PCだけでなく、モニターやヘッドフォンも大人が仕事で使う道具を導入しており、「中高生段階から本物に触れることで生徒たちの視界が広がり、その経験値は社会に出たときに必ず役立つ。それが本校における環境整備の柱になっている」と語った。宮坂教諭も「特に地方の学校は本物に触れる機会が少ないため、探究でも外に出てさまざまな社会の人と関わることに取り組んでいるが、ハイスペックなPCが導入されれば、技術的にはそれが校内で実現する」と同意した。
最後に、まとめとして村松教授はハイスペックなPCには、今までの作業が快適になるものと、今までできなかった新しい実践が産み出せるもの、二つのベクトルがあると解説した。
その上で、今日の話の核となったのは「本物の道具で体験するからこそ、社会で通用する本物の学びが展開できるということだった」と指摘。今後の導入へのカギは、自治体や学校にいかに共感してもらえるかにあり、それにはモノありきではなく、生徒が先生を超えていくクリエイティブな姿を多くの先生方に見てもらうことが近道になると語った。