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【寄稿】悩む子育て、わがままの意味~ミッフィーの国からのメッセージ

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論説・コラム

 オランダ・デンハーグ在住のフリーライター、島崎由美子さんから、オランダと日本の子育て、教育の違いに関する論考が届いた。オランダでは教員が赴任先を自分で選べ、チームとして教育に当たることを重視。また、子どもたちが学校で対話することを大切にし、在宅教育は禁止しているという。

子どもは野うさぎ

写真1 ミッフィーの国オランダ

 みなさんご存じのように、ミッフィーはオランダのディック・ブルーナ(グラフィックデザイナー)が描いた絵本のキャラクターです(※写真1)。彼女は小さなウサギの女の子で、正直で純真で勇気があり、いつも新しいことに興味津々です。ブルーナさん一家がオランダ北部のエグモント・アーン・ゼーという海辺の町で休暇を過ごした際、海岸近くで子どもたちと一緒に野うさぎが走り回っているのを見たお話がもとになったそうです。1955年6月21日ミッフィーの絵本が誕生しました。

 オランダの子育てで特徴的なのが、「褒める」ことです。Good job!(よくできたね)、I’m proud of you!(誇りに思うよ)など、日本人からすればかなり大げさ過ぎるのでは?というほど子どもをよく褒めます。
 科学的な検証が進んだこともあり、最近は日本でも褒める子育てが定着してきているようですね。ただし、日本人が形だけを真似て、大人が子どもを「えらいね」と褒めていると、ちぐはぐなことになり、わがままだけが助長されてしまうでしょう。
 オランダ人の子育ては、自立心を育む目的が根強く根底にあります。だから、子どもを褒める時は「一人でできてすごいね、人の手を借りないでできたね」という自立への賞賛の気持ちが込められています。
 日本では、共調性のある子に育てる、行儀のいい子に育てるという「しつけ」目的が根底にあります。だから、子どもを褒める時は「言うことを聞けてえらいね、がまんできてえらいね」というように、指示やルールに従えたことを褒めるケースが多いのではないでしょうか。
 子どもが大人、特に教師や親の言うことを聞いて大人しくすることは、「都合がいいこと」です。しかし、肝心の自立心が育ちません。すると、もっとも重要な子どもの自信が育たないのです。

 オランダの子どもたちが幸福なのは、学校教育が素晴らしいからと短絡的に受け止められることが多いのが気になっていました。確かに学校も大切な要因ですが、幸福度の背景にある多くの原因は、家庭生活のあり方、大人たちの社会意識、生活や仕事への態度が影響していると思っています。

 今回、子どもの自立心を促すことについて、オランダでよく見かける事例を紹介します。

できる子に育てようと考えていませんか

 オランダには、知育玩具も幼児向けの英才教育も存在しません。世界が神童ピアニストやチェスの天才児の出現に大騒ぎしても、まるで無関心なオランダ人は、自分の子供を「できる子」に育てようとは考えていません。
 だから、親たちは育児ストレスをほとんど感じることがないというのです。私の親友マルコ夫婦もほとんどそうだと言います。オランダの子育てメソッドの何がそんなにスゴイのでしょうか。
 さらに、オランダの多くの子どもたちが「自分は幸せ」と感じているようです。マルコ家の長女アイノアと長男アントニオも、口をそろえるようにそう言います。
 オランダは約25%程度の学生が大学へ進学すると言われています。実際のところ、この数字はやや増加傾向にあるそうなのですが、それでもみんな大学進学、という雰囲気ではありません。
 大学進学する学生を除いた75%の人たちが大多数を占めるオランダの社会では、大学進学する奴が努力家で賢くて偉い!というような雰囲気はほとんどありません、どちらかと言うと、社会全体が「そういう能力があったので、進学先がそこになったのですね」という感じだと聞きます。
 そして、能力があったという事実に対し、妬みや羨ましさを感じにくい教育的社会構造があるのもオランダの特徴と言えるかもしれません。
 私自身を取り巻く学生時代は、勉強や受験、そして学歴への強いこだわりを感じずにはいられませんでした。それは、学歴に対する恐怖心でもあり、「大学に行かなければ仕事がない」という社会からの脅しとも言えます。

よく見かける風景~行動とリスクの捉え方

写真2 すべり台、どちらが先にすべり降りられるかを競い合う2人

 よちよち歩きの小さな子が、2人して公園のすべり台の階段を駆けのぼり、どちらが先に下にすべり降りられるかを競い合っています(※写真2)。母親たちは、近くのベンチでおしゃべりに夢中です。その向こうには、ストライダーにまたがって歩く小さな男の子がいて、その後ろから男の子のおじいさんがベビーカーを押してついていくのです。

写真3-1 前に幼児の妹、後ろに児童の姉を座らせ、ゆっくり自転車を漕ぐ母親

写真3-2 子どもが、親の先を勇ましく進む

 サイクリング専用道路では、トラックスーツを着た少年少女の自転車集団が、冗談を言って笑いながら颯爽と走っています。そうかと思うと、若い母親が、座席の前に幼児の妹、後ろに児童の姉を座らせ、ゆっくり自転車を漕いでいます(※写真3-1)。自転車に乗れるようになった小さな子が、親の先を勇ましく進むのにも驚かせられます(※写真3-2)。

写真4 スケートボードを練習する男の子2人、付き添う保護者はどこにも見当たらない

 楽しそうな声が響くその近くでは、男の子2人がスケートボードの練習をしています。この幼児に付き添っている保護者はどこにも見当たりません(※写真4)。

図1 オランダ第三の都市、デンハーグ

 これら、よく見かける風景は、決して映画の一場面ではありません。とある水曜日、春を迎えたデンハーグ(※図1)Zuiderpark公園の風景を描写しました。同様の光景は、オランダのあちらこちらで目にする光景といっても過言ではありません。
 オランダは、ユニセフが実施した先進国における子どもの幸せ調査(Child well-being in rich countries)で、2007年と2013年、そして2020年に「世界一子供が幸せな国」と評されています。
 この調査では、「物質的豊かさ」「健康と安全」「教育」「行動とリスク」「住宅と環境」という5つのカテゴリーが評価されます、オランダは「行動とリスク」と「教育」のカテゴリーでトップに輝く国です。日本の子どもに関する結果はユニセフのHPをご覧ください(https://www.unicef.or.jp/report/20200902.html)。
 最近、オランダの赤ちゃんが米国の赤ちゃんより幸福だと示唆する、ある調査結果を見かけました。米国生まれとオランダ生まれの赤ちゃんの気質を調査したところ、オランダの赤ちゃんのほうが笑ったり、にっこりしたり、親に寄り添って寝たりする回数が多かったそうです。
 ある心理学者は、このような差異が生じるのは米国流の子育て文化とオランダ流の子育て文化が異なっているからだといいます。これは、大騒ぎを呼びそうな分析だと思うのですが、そうなっていないのは大変意外でした。

成功と幸福との関係性~ストレスレスな考え方

 オランダといえば、「セックス・ドラッグ・アルコールに寛容でリベラルな国」として知られているかもしれません。ですが、そんなリベラルなイメージの裏側に、この国の秘密があるのかもしれません。
 例えば、この国の住民はかなり保守的な人々が多いようです。オランダは家族を大事にする人々が集まる社会であり、子どもたちが家族の中心に位置しています。子どもに対する親の態度も健全そのものです。なぜならば、子どもを一個人として扱い、自分の延長のようにみなすことがないからです。
 人は成功を収めても、必ずしも幸福になれるわけではありません。しかし、幸福になれば成功する道が開かれると、この国ではそんなふうに成功と幸福の関係を理解しています。だからなのか、大人たちは、現代の子育てにつきものの不安やストレス、過剰な期待といったものに悩まされることがほとんどないように感じられます。
 オランダ人にとって、成功とはまず幸福になることであり、子どもだけでなく、大人が幸福になることも重視されているのです。
 オランダで暮らしていると、この国の子どもたちが幸せそうなことに気づかないでいることのほうが難しいかもしれません。子どもたちには、英国や米国の子どもたちにはない自由が与えられており、その自由を満喫しています。

そもそも自立心って?

 自立心とは、他人からの指示で行動するのではなく、子ども自らが考え行動するために必要な心構えです。一般的に、自立心は2~3歳ごろから態度や行動で見られ始めると言われています。徐々に「自分でやってみたい、選びたい」という気持ちが芽生え日常生活のさまざまな場面で、お子さまのわがままをよく見かけます。
 もちろん、自立心の程度には個人差があるでしょう。幼少期にハッキリとした行動の変化が少なかったとしても、自立心の強弱を過度に心配する必要はありません。
 しかし、オランダでは、将来子ども自身が自らの力でやりたいことや好きなことを実現するために、なるべく早い時期、自立心と責任のバランスから育んでいくことが大切だと考えられています。

子どもの自由意思を尊重

 幼児期の子どもは、少しずつ毎日の行動範囲が広がり、身の回りのあらゆるものに興味の対象が広がっていくと言われています。そのため、親の視点で難しそうに見えることにも子どもたちは興味・関心を持ち、挑戦したいと思うようになることでしょう。
 このとき、オランダ流の子育ては、お子さまの「やりたい」というpositiveな気持ちを否定せず、寄り添ってサポートしています。
 例えば、子どもが「ひとりで夕飯を作ってみたい」と言った時、日本ではどう対処していますか。「火のもとに立たせるのはまだちょっと心配、かえって後片付けが大変そう」など、一見わがままに抵抗を感じてしまうかもしれません。
 しかしオランダの大人たちは、子どもの行動とリスクに対するフォローアップをしっかり行います。子どもが自己意思でチャレンジしようとしている時こそ、自立心を育むチャンスだと考えてそのチャレンジをサポートしています。

保護者が干渉し過ぎない

 子どものチャレンジをサポートしたくても、失敗して辛い思いをしてほしくないと思うのは当たり前のことです。しかし、失敗を恐れるあまり、大人が先回りしてリスク回避を準備してしまうと、自立心を育む機会を活かせないかもしれません。
 例えば、「重そうに見えるから、まだ身体が小さいから」という理由で、通園バッグを持ってあげたり、お出かけ準備をしてしまったりすることはありませんか。
 日本では、日常の小さなチャンスでも子どもが主体になって行動できるよう、その気持ちをグッと堪えることが大切かもしれないですね。

自分で考えるリスクと責任、自立

 もちろん、子ども自身が使命感や目標を持って取り組めるような機会を作ることも自立心を育むことに繋がるでしょう。
 例えば、日常の簡単なことでも問題はないようです。子どもたちが、楽しみながら責任を持って取り組めるチャンスと時間を見つけてあげるサポートは、子ども自身の役割を理解させ、継続して取り組む力を育むはずです。

自立を育む教育、社会のあり方~日本と何が異なる?

 オランダで見かける風景にオランダの教育の特徴を重ねてみました。そして、日本の教育を外から見直してみたいと思います。
 オランダの教育の大きな特徴は、自立した個人を育てるための「自由と責任」のバランスの取り方にあると考えています。
 自立した個とは?幸せとは何か?自分は何者なのか?ということを自分で定義できる人をいいます。その定義する力を養うための教育が初等教育から行われています。
 先生も保護者も、教育に関しては主体的な人が多く、教育を人任せにせず、互いに協力し合うという土壌も根強く存在しています。また、ご存じのように、この国には移民も多く、合意形成をしていく過程を大事にするため、homeschooling(学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うこと:在宅教育)は原則禁止されています。
 なぜならば、違う者同士が学校という空間に集い、互いを許容し、認め合うということを教育したいからです。まさに、教育と社会のあり方は不可分なのです。
 オランダというと、イエナプランを思い浮かべる方も多いと思うのですが、実はオランダには、オルタナティブ教育や、いろいろな教育があり、互いを比べることなく、押し付けず、共存しながら認め合っています。
 こうした教育のあり方こそが多様性に理解のある社会をつくっていく一助になっているのだと考えられ、それこそがオランダ教育に感じる魅力です。
 子どもに対する先生の姿勢も特徴的です。オランダでは、大人が子どもに望むのは幸せであり、その幸せとは子どもたちが好きなことを見つけて自立することです。
 そして、子どもたちを自立した人として見ています。先生は子どもが自分で決めることを重視します。そのため、やってみてできないなら、なぜできないのか、子ども自身に考える機会を与えています。
 いわばオランダは、社会自体がティーチングではなく、子どもたちが自分の中でコーチングを繰り返しながら成長していく社会として成り立っているように感じます。
 そして、先生たちは、ワークシェアリングが徹底された働き方、学校の中の仕事、例えば校務分掌や学校行事の運営、学習指導要領のあり方、研修制度や給与形態などに至るまで、日本と大きく異なります。
 例えば、オランダではどの学校で教えたいかを自分で選べます。日本では教員個人の成果が重視されがちですが、オランダではチームとしての成果が問われるのです。
 「私たち教育者は、よいチームでなければならないのよ。なぜなら、チームの関係性の良し悪しが、そのまま子どもたちに影響してしまうから。日本の中学・高校の先生は、日々自分自身と生徒の評価のプレッシャーを感じながら個人のパフォーマンスばかり気にしていないかな? 働き方も健全とはいえない部分がありそうだし、その結果が子どもに悪影響を与えているという現実があるんじゃない?」親友のフェルドーズ先生は、こう話しています。

日本の教員は学び続けることが難しい?

 日本では、教員が学び続けることも難しいようですね。オランダでは先生のスキルアップのための研修費が年間13万円ほど支給されています。日本にも研修制度があるでしょう。しかし、学校での業務を止めることがはばかられることもあり利用しづらいのが現状ではないでしょうか。
 例えば、スキルアップのために、海外研修への参加を校長先生に申し出ても、教育委員会との関連がどうかとか、交通費は半分しか出ないとか、そんなやり取りが続くのではないでしょうか。
 特に、小学校の先生は海外の学校を視察する機会も限られていると聞いています。現状は英語が教科としての英語にしか結び付いていないように見えます。
 日本の先生が海外に行き学ぶことは、世界にはまったく違う教育があるということを知る良い機会なのですが、そのために授業時数や内容に柔軟性を持たせた場合、多方面から批判されやすい側面があるのでしょう。
 教員自身が責められないように指導しがちな部分もあります。情熱を持って先生になったのに、そうした環境に押し潰されてしまうのでしょうか。教員が熱意を持ち続けて教壇に立つには、広い視点を持てる圧倒的な体験が必要ではないかと思います。

大切にされているという自信

 自己肯定感が高いと、自分のよいところも悪いところも、どんな自分も認めることができます。それは今だけでなく、将来にわたって自信の源となる心の土台です。
 心の土台がしっかりしていると、生きていく意欲、やる気、前に進むエネルギーが生まれます。たとえ失敗や挫折を経験しても、折れずに立ち上がる、それがvery strongなオランダの国民性です。

Equal(平等)とFair(公平)

 以前、私がオランダの小学校を見学した時のことです。校長先生に案内していただき、授業中のクラスにも入りました。授業中の子どもが生き生きしているのが印象的でした。
 すると授業を行っている先生が、子どもたちに向かって問いかけたのです。「日本からのお客様が来ています。何かお話ししたい人はいますか?」
 そうすると、何人かの子どもが手を挙げてくれました。そのなかの1人がこう言いました。「ぼくは走るのが苦手で競争するといつも負けていたので、みんなと相談して少し前からスタートすることにしたんだ。そうしたら勝ったり負けたりして楽しくなったよ。先生も認めてくれた。」
 equal(平等)を良しとする日本の小学校では、まずできないことでしょう。このクラスではどうしたらfair(公平)になるのかを考えさせ、苦手な子のハンディをなくすことを当然のように認めていました。
 いつも負けるという失敗体験を積み重ねることを避けて、努力をすれば成功することもあるというレベルを話し合いの中から設定し、成功体験を重ねさせる、このような積み重ねは「自己肯定感」を大いに育みます。
 他の子は、次のような話をしてくれました。「次のスポーツの時も、ぼくがルールを提案すると、先生が「よいルールだね」と褒めてくれたんだよ。僕は、どうしたらみんなが楽しめるのか、いつも考えているんだ」
 自分を肯定的に捉え、対応を提案する、周囲もそれを認めてくれる、オランダと日本の子どもの自己肯定感の差は、調査するまでもなく明らかだと実感しました。

稿のおわりに

 大人たちに「君は一人で立てるよ」と励まされ、例え、それがまだ出来ない状態であったとしても、温かく見守ってもらえる環境で生きる社会であるべきです。そういった環境の中で、人は少しずつ、時に半歩、一歩下がりながらも、自立へと向かっていくのではないでしょうか。
 自立に向かう途中、もちろん転びそうになれば、周囲の大人が手を貸してくれる訳で、その時に「だから言ったじゃないか」とか、「君にはまだ早いんだよ」とか、子どもの未熟さを外から自覚させられるような環境がなければ、子どもは自分にも出来ると自分を信じて生きられるのではないかと思います。
 オランダの子どもたちは、教育と社会システムの中でのびのびさせてもらっていることは確かだと思います。そして、その“のびのび”に少しずつ自立のエッセンスを入れていく。
 自分らしく生き、自分に決定権が認められ、個として認められる、それを幸福な状態と呼ぶのであれば、きっと自由の中で、権利とリスクと責任を学ぶ子どもたちの精神的な幸福度は高い、と言えるのかもしれません。
 子どもたちに知識を授けるのではなく、子ども自身の学びたい力が体の中から噴水のように湧き上がってくるような、自立した学びに適応できる教育へと学校が変わっていくのが理想ですね。
 もっと子どもたちの自立心と可能性を引き出すために何が必要なのかを問える教育、社会のあり方が理想ではないでしょうか。
 子どもたちのトライもエラーも許容する社会、そのためにも日本の先生たちがオランダを訪れ、衝撃を受ける体験をしてほしいのです。そして、教育者として、「個人と社会の幸せ」を問うためのきっかけを得てもらえればと思います。
 なぜならば、世界一子どもが幸福な国では、まず大人が「幸福とは何か」を問うているように見えるからです。
 その問いのキーとなるのがフレキシビリティ、個々の状況に応じ、自らの幸せを柔軟に追求していることなのです。

 筆者紹介
 
フリーランスライター、薬剤師(日本)。1989年渡米、1997年帰国。三井記念病院勤務などを経て2015渡蘭。自身の鬱と向き合う。ALS女性の在宅介護を経験。現在、オランダのデンハーグでライターとして活動中。言語学者(エスペラント語)の祖父、高等学校英語教師の父を持ち、言語学・教育・医療介護に造詣が深い。アクセス先:yoomee.0126【@】gmail.com(@は半角)

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