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一刀両断 実践者の視点から【第603回】

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論説・コラム

公立校教員への残業代

 公立学校教員への残業代支給について検討が始まったという。この動きをさせたのはなんだろう。もちろん教員志願者の激減や辞退者の増加に要因がある事は分かる。しかし、残業代を増やすからという視点は志願者の引き寄せになるだろうか。
 また、その財源はどうするのだろうか。
 以前、政令市の職員と県に居た私が北海道へ教員採用の為に同行した時、政令市の職員が、「本俸よりも残業代の方が多いしやった分は貰える」と語った。
 県は、最大20時間とされて実働とはかけ離れた支給であった。
 そう考えると額面通りの額が正当に支給されるのか疑問が残る。
 また、本俸を上げないのではこの窮地に志願者を引き寄せはできないだろう。教師の善意に甘えて小手先だけの改善の様に感じるのは私だけだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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