SCHOOL SHIFT2 あなたが未来の「学び」を創出する
13面記事宮田 純也 編著
生成AI活用の教育など追究
予測不能な未来。不確実性の高い世界が待ち受ける。しかし、事実として「学び」へのSHIFTが未来の土台となることは間違いない。
かつて車が世に現れた時、「車なんぞに負けはしねーぜ」と走りで勝負した韋駄天男がいた。やがて車と走りで勝負することなど滑稽なことと悟り、人は車を便利な道具として利用するようにSHIFTしていった。昨今、生成AIが登場し、人との知恵比べがささやかれているが、車同様、人の知恵袋としてSHIFTしていくのは近未来より近いはずだ。
本書は、「SCHOOL SHIFT」の第2弾。DXの展望、授業デザイン、ウェルビーイングと学びを中心とした個人や組織のビジョンとアクションを追究する。例えば、Chapter1「『教育とテクノロジー』のSHIFT」では「DX・生成AIが拓く学校教育の未来」をテーマとし、まずビジョン編で「テクノロジーと学校のビジョン」を述べている。次にアクション編で「GIGAスクール構想第2ステージに向けて」「学びのSide by Sideの更に先へ」で具体的な取り組みについて記されている。
生成AIをはじめ、激しいスピードで代替する情報技術に伴い、学校の授業、組織、教員の在り方、学校の意義まで問い直しが求められる。学校もSHIFTしていかなければならない。新たなSHIFTへの問い直しに本書はいい機会を与えてくれる。前作と併せて読むことをお勧めする。
(2486円 明治図書出版)
(青木 一・信州大学大学院特任教授)