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ケース別Q&A 学校のための著作権マニュアル

16面記事

書評

藤田 晶子 監修 西田 光昭 編著
正しく理解、実践できる知識提供

 教育現場において、著作権の具体的な理解と運用は重要である。
 本書は、教育関係者が著作権法を正しく理解し、実践するための基礎知識とガイドラインを提供している。
 「GIGAスクール構想」によるICT環境の整備等、時代の変化を背景に、著作物の利用場面が増えた学校にとって、指南書として活用できる。
 本書の最初に、「はい、いいえ」形式の見開きで、「著作物を利用したい時の考え方」を提示。これがとても分かりやすい。
 第1章では、「基本的な著作権の考え方、学校教育の特例、学校と著作権をめぐる変化GIGAスクール構想」等、著作権理解に必要な概論を記載。
 第2章は、「著作物利用の実際」で、本書全体の7割を占めており、圧巻だ。
 「授業」「特別活動」「校務」「研修・学校外」の四つの場面に分け、実際に教育現場で起こり得るさまざまなシチュエーションについて、Q&A形式で具体的に解説。疑問や問題が発生したとき、その都度参考になる。
 最後に資料編として、「改正著作権法第35条運用指針〔令和3(2021)年度版〕」を掲載。
 監修者は弁護士で大学法学部准教授、編著者は文科省、総務省、内閣府の事業等に関わる教育研究専門アドバイザーである。
(1980円 教育出版)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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