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一刀両断 実践者の視点から【第590回】

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被害者だが加害者にも

 千葉県内の児童相談所の職員が身分証明書を盗まれたという。児童相談所は、家庭への立ち入り調査も行う。その際に携帯する身分証明書とのことである。盗まれた職員は、窃盗事件の被害者ではあるが、重大な過失を犯し、人権侵害を引き起こす加害者にもなり得る。
 以前は、教員にもUSBメモリースティックなどの紛失が多かった。その影響は大きく、今回の件はその悪用により最悪を想定すると犯罪にまで発展する要素があるのだから深刻である。
 身から離さないという「ルール」が「マナー」と化してしまい、最悪を想定できなくなっている意識の低下は否定できない。
 遺失物で届けられているUSBメモリーの数はかなりにのぼるが、申し出がないためにそのままにされているという。パスワードをかけていないものも多く、開いてみたらどうなる事やらドキドキである。申し出ないで平然と繕ってはいないか。バレなければよいのか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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