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一刀両断 実践者の視点から【第588回】

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大津の中学生自死から13年

 同級生から暴行を受けるなどしていた男子生徒が大津市の自宅マンションから飛び降りて亡くなってから今月で13年が過ぎた。その後、いじめ防止対策推進法が出来ても実態が変わろうとはしていない現実がある。
 子どもがマンションから飛び降りて亡くなる案件は至る所で起きていたし現在も続いている。私の周りでも2件あった。
 その一つは始業式の朝だった。第三者委員会が立ち上がったが、親が希望していないという筋書きになり、不明のままとされた。相手の親からの叱責で飛び降りて亡くなった中2の男子も居た。
 このように大津に限らず起きている事を理解すべきなのである。ここて特筆すべきは、この大津の中学校は文科省指定の道徳教育推進校であり、一番いじめが起きたのは道徳の授業の後であったという報告である。大人の都合で中学生の命を救えない日本になっては居ないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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