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一刀両断 実践者の視点から【第579回】

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経験知に満ちた教育界

 9月2日発行の日本教育新聞「提言」欄では、合田哲雄文化庁次長が「企業や官庁の組織マネジメントが社会の構造的変化とズレているなら、学校マネジメントの在り方が社会をリードするオープンで、フラットな場でなければ価値は創造できない」と述べている。興味深かった。
 教育界が企業や官庁の組織に学ぶ動きが目標申告やPDCAの活用など、かなり違和感を残しながらも取り入れて来たが、いまだにどうも馴染まない気がしてならない。
 私は川喜田先生が存命の頃にKJ法を教えて頂いた記憶がある。しばらく重宝したが、教師になってその課題を感じるようになった。
 仕事の効率化などでマネジメントを取り入れるように強いられてはいたが、管理職研修で組織マネジメント研修の内容や運営に苦労して、その必要性が論議される事が多かった気がする。
 教育現場からしたら企業経営の考え方が当てはまらない事は多くある。この記事は、「オープンでフラットな場でなければ価値を創造できない時代だからこそ、命令一下に依存する傲慢さや怯懦を乗り越える事は日本社会の課題」であり、「そのために大事な経験知が教育界には満ちていることを痛感した」という。実に興味深く合点がいった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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