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都教委が部活動地域連携・地域移行シンポジウム

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都道府県教委

 東京都教委は22日、公立中学校部活動の地域連携・地域移行に関するシンポジウムを開いた。学校関係者や保護者などに理解を深めてもらおうと開催。パネル討議では、地域資源をどう部活動改革に活用していくかを主題に議論した。
 当日は教育関係者やスポーツ・文化団体関係者、保護者など約200人が参加。冒頭には、都教委や自治体、大学などから報告があった。
 続くパネル討議では、立教大学教授の松尾哲矢氏がファシリテーターを務め、関係団体の代表者らが登壇。144大学、14のプロスポーツチーム、163の総合型スポーツクラブなど、地域資源が豊富な東京都の現状を踏まえ、その活用策について意見を交わした。
 総合型地域スポーツクラブ東京都協議会副幹事長の矢子達哉さんは、総合型地域スポーツクラブの指導者は教育者でなく、「生徒指導」はできないと指摘。地域での活動は学校教育といかに分離できるかがポイントだとした。
 その上で、総合型地域スポーツクラブの「多種目・多世代」という特徴を生かしつつ、これまでの部活動とは違う新しいものをつくるという意識で進めていく必要性を訴えた。
 大学スポーツ協会専務理事で仙台大学教授の池田敦司さんは、中学生指導に興味がある大学生は多いが実現できている割合は5%程度にとどまるという同協会調査を紹介。社会連携の一環として大学の中に組織をつくって学生の活用を進めていく必要があると話した。
 元バレーボール選手のヨーコ・ゼッターランドさんは公認スポーツ指導者資格を持っている人が都内に2万人以上いても有効に活用できていない現状について、指導者のマッチングやコーディネートの面に課題があると指摘した。
 また、女子生徒の運動機会が少ない現状に触れ、「運動して楽しかった体験が少ないのかもしれない」との見解を示した。競技力向上や大会を目標とするだけでなく、「楽しみたい」など多様なニーズに応えていくことを、運動機会を増やすために必要な方策として挙げた。
 シンポジウムの全体会終了後には、都内の体育大学関係者らが自大学での取り組みを紹介する分科会や、区市町村関係者対象の個別相談会も開かれた。

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