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一刀両断 実践者の視点から【第576回】

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論説・コラム

議員の専門性

 千葉県内の自治体で教育関連の備品を購入する際、議会の議決を経ていないことが問題となっている。そもそも市議会の議決がなぜ必要なのか。
 予算や金銭の支出を市議会が認めないと動かない。教育長の人事も関わってくる。そこで気になるのはその専門性があるのかという視点である。
 形式だけの議決がほとんどではないだろうか。権限だけ持たせて実情を理解していない者に承認の権限を与えていたとしたら、様々な利権が発生する。
 以前、市議には市職員採用に当たって何名までかは推薦できるという話を聞いた。教採選考にあっても県議他からの推薦名が届き、その意向に本来忖度する必要は無いが慣例となっているとも聞く。
 人事というポストはこうした働き掛けが多く寄せられる。自己の出世と公選制を天秤に掛ける場面が多く存在する。自己の営利栄達の為に人の人生を左右してしまうことになる。
 本来は良き教師になり得るかとの資質や力量を判断するのが職務である。地元の名士からの意向に沿わないでその大義を通すことのできる人は稀であった様に私には感じられた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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