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中学校国語 論理的に考える子どもを育てる説明文・文学の読み方指導

14面記事

書評

長谷川 祥子・加賀谷 いづみ・田邉 泰・西山 明人・渡辺 真由美 編著
両文章の学習法の違い示す

 経験豊かな国語科教員でも、論理的文章(本文での説明文の呼称)と文学的文章の学習指導の違いを簡潔に説明するのは難しい。
 編者は、論理的文章と文学的文章では性質が全く異なるため、論理的文章では、「書く」ための「読む」指導が必須で、「読む」学習から「話す・聞く」「書く」学習を教材の特性に合わせて効果的に組み合わせることが重要であるという。
 それに対して、文学的文章は楽しく「読む」ことが大切で、文学作品を音読し、複数の学習課題の確認後、作品の感想を話し合って終わる指導が望ましい、という。
 第1章でのこの考えの下、第2、3章では定番といわれる説明文と文学が各学年2編ずつ並べられ、4時間以内の学習内容をせりふで示している。説明文では「ちょっと立ち止まって」「ガイアの知性」「絶滅の意味」、文学では「少年の日の思い出」「走れメロス」「故郷」などの学習内容が、「先生が文章を読みます。読めない漢字には仮名を振りながら聞きましょう」「登場人物を出てきた順にノートに書きましょう。呼び方に違いがあるときは、括弧に書きましょう」などのせりふで示されているので授業がイメージしやすい。さらに、そのまま各自の授業でも活用できる。
 本書を参考にすることにより、若手教員でも迷いなく、狙いが明確で分かりやすい授業が展開できるのではないだろうか。
(2200円 明治図書出版)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)

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