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一刀両断 実践者の視点から【第571回】

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論説・コラム

歓迎したい「アスリート教員」

 《「教育なめてる」文部科学省の五輪アスリートを『免許なしで教員』方針にネット猛反発「何のための教員試験?」》(中日スポーツ)という見出しの記事には違和感を持った。
 私は歓迎したい。こうした取り組みは外国では多く取り入れられているようである。
 本物に触れて本物になる。確かにスキルは磨かないとならないが児童生徒にとっては憧れの存在となり大きな刺激を与えることができる。
 免許がないとか教員試験とかを引き合いに出して批判するのは免許の有益性を強調して職や利益を得ている面々の主張ではないのか。
 以前より特別免許状を発行して地域学習の講師として招いているのだから、何の問題もない。
 教員試験も現在の倍率となるとその意味さえ見出しにくい現状がある。現場では担任が埋まらないで免許を持っていたら誰でもいいので来て欲しいと必死である。
 教員免許の取得に人物査定はなく、大学では成績を満たせば全て与えているのが現状である。
 試験のやり方もかなり工夫されてハードルを下げて確保しようと必死の地域が増えている。
 そこにはブラック報道を放置している事や抜本的に待遇を改善しない現実がある。いいように教員の良心を利用しているようにも感じられる。
 今回のような取り組みこそ必要であり、閉塞感の蔓延している日本の教育に新たな流れを入れるチャンスではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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