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一刀両断 実践者の視点から【第568回】

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論説・コラム

加害者優位な制度

 《旭川・中2凍死いじめ問題、市の再調査委員会「いじめが主な原因」と結論の正式報告書を提出…6月の完成時は提出見送り、以前の報告書が“黒塗りない”状態でネット流出などの対策待つ》(北海道放送)という見出しの記事から、対応の遅さに違和感を持った。
 明らかにいじめとわかる事を長々と証明しなければ成立しない日本の制度自体に多くの問題が含まれているのではないだろうか。そこで論議され、明らかにすべきは、加害者が生まれた背景や経緯ではないだろうか。
 ここはいつも曖昧にされてしまうように感じられる。
 被害者が加害者に抵抗するには、多勢に無勢もあって死を覚悟して臨まなければならないのが現状ではないか。加害者優位に社会や制度が仕組まれていると思える。弱者を守れないか、あえて守らないようにされている仕組みになっていると指摘したいのである。
 公益通報者保護法があっても機能せずに自死に追い込まれ、加害者達は保身に走る様は至る所に存在している。
 これも全ては教育に起因する。そうした思考性を私たち教師は無意識に育んではいないだろうか。自戒せねばならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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