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学校体育館の防災機能を強化する

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高い暖房力で冬でも安心なGHP(ガス式空調) 停電対応型GHPは停電時も自立運転が可能

電気やガスの停止に備えた空調設置を

 2016年に発生した熊本地震では水道、電気、ガスといったライフラインが一時ストップしたことで生じた二次災害が問題視された。災害時に地域の避難所となる学校体育館では、暑さ寒さ対策として欠かせない空調整備を進めるとともに、電気やガスの供給が停止した場合に備えた対策を講じていく必要がある。そこで、災害時に安心して過ごせる避難所整備のための課題を踏まえた空調設備のあり方を提案する。

災害に強いGHPを推奨

 災害は季節を問わず発生するため、避難所には空調の整備が欠かせない。しかし、文科省の2022年12月時点の調査によれば、学校体育館の空調設置率は15%程度にとどまっており、文科省は全国の都道府県教育委員会教育長に対し、避難所となる学校施設の防災機能の強化を一層推進するよう要請している。
 避難者が快適で安全に過ごせる避難所空調を整備するためには、災害によって電気やガスの供給が途絶した場合に、一定期間ライフラインを維持する対策も同時に進めていく必要がある。また、日常での学校の授業や部活動等で使用する際の熱中症や感染症対策、空調の風による影響があるスポーツに配慮する必要がある。自治体における防災事業で豊富な実績を持つI・T・O株式会社は、災害時に電気、ガスが途絶しても空調、電気が使用可能となるGHP(ガス式空調)やガス発電機の導入や施設の設備、規模、利用状況を考慮した提案を行い、学校体育館の防災機能強化を推進している。
 EHP(電気式空調)は、停電時に使用する際、大型の非常用発電機を備える必要があり導入コストが非常に高額となるが、GHPは小型の非常用発電機でバックアップできるとともに、LPガスを備蓄しておけば燃料の供給に困らないうえに、導入コストが安価となることを理由に挙げる。都市ガスは地下の配管を通って供給されるため風水害に強く、中圧配管が整備されているエリアでは地震に強くガス供給停止が発生しにくい。GHPはガスエンジンの排熱を利用して暖房するため、立ち上がりが早く、寒冷地などで外気温が低下しても高い暖房能力を備えている。

LPガスを備蓄し、停電時に自立運転できるGHPが主流

 近年多くの自治体で導入されているのが、LPガスを備蓄しておき、空調や発電機のエネルギー源として活用する方法だ。さらに、災害対策として普及が進んでいるのが、停電時も自立運転が可能な「停電対応型GHP」だ。本機はバッテリーと発電機を搭載しているため、別置の非常用発電機がなくても空調運転と発電が開始できる。しかも、発電した電力は照明や通信機器、コンセントなどにも供給できるほか、電気代はEHPの10分の1で済み、平時のランニングコストも抑制できる。

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