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一刀両断 実践者の視点から【第565回】

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「パラ」の金メダルと里親

 パラリンピックの記事が新聞紙面を賑わせている。先日は、地方紙の1面に50メートル平泳ぎ金メダル1号として鈴木孝幸選手と亡き里親の小松洋さんの素敵な写真が大きく掲載されていた。
 1面の記事を読んでこんなに胸が熱くなったのは初めてだった。そして自分なら出来るだろうかと考えた。
 健常な身体ではない子を里親として育てる決意が自分にはあるだろうかと問うてみた。
 鈴木選手は生まれつき両手両足に欠損がある。パラリンピックには、高校3年生だった2004年のアテネ大会で初出場し、メドレーリレーで銀メダルを獲得した。以来、すべてのパラリンピックに出場しているという。
 里親との出会いがなければこうした事はあり得なかっただろう。
 これは児童・生徒と教師との出会いにも重なる。パラリンピックの背景にある家族の心情を改めて理解しなければならないと痛感させられた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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