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一刀両断 実践者の視点から【第564回】

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市教委の判断ミス

 《小学生「濡れながら登校したのに」台風接近なのに休校しなかった福岡市教委 一転「保護者は迎えに来て」批判殺到で謝罪》(RKB毎日放送)という見出しの記事によると、福岡市教委の判断と対応に批判が殺到しているという。
 これは当然のことである。確かに自然災害は予測が困難ではあるが、今回のケースは論外である。
 問題なのはこうした判断に誰も異議を唱えなかったのかと言うことである。常に最悪を想定して判断することがリスクマネージメントの基本だが、意思決定の場面が形骸化していたのではないか。
 市が判断するのは適切なのだろうかという疑問もある。私が勤務した市では全て校長判断に任されていた。
 地域も広く地形なども考慮して一斉判断が困難であるからだ。卒業式の日時も校長判断になる。これが基本とされていた。
 よって市教委の指示がおかしいならば、即刻進言して訂正を求めた。福岡市は政令市でもあるのだからそうした連携は他市よりも迅速に出来るはずである。
 今回の判断ミスは権力構造の悪癖や組織の形骸化の現れであって、他の案件でも起きているのではないだろうかと想像してしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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