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一刀両断 実践者の視点から【第563回】

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論説・コラム

不安要素の放置

 政治家の中に、本気で教育現場の厳しさを理解している者はいるのだろうか。当選したいからとやたら教育へのテコ入れを語りはするが、当選するとあの熱と発言はどこへ行ったのかと思える者が多過ぎはしないか。
 先日訪ねてきた小学校教師が、担任不在の状況が続いている事を諦め顔で話してくれた。特別支援学級などに教頭、教務主任が張り付いているという。
 確かに教頭、教務に学級担任は出来るが、仕事が別にあるから配置されている。それが常時的に学級担任となると、その分の仕事や管理などが蓄積されて過重労働を強いる事になる。
 働き方改革とは真逆の現状にしているのは誰なのか。そのつけは子供たちに必ず強く影響されてくるものである。
 先日来続いている水泳指導の痛ましい事故や事件は人員不足から来ているようにも感じられる。
 こうした不安要素を放置している政治家や行政は、言行不一致の極みではないだろうか。誠実な教師ほど体調を壊してしまう危惧がされてならない。これでいいのか道義国日本!
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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