文化部も地域移行へ WGが初会合
NEWS 文化庁は3日、文化部活動の地域移行について議論するワーキンググループ(WG)の初会合を開き、事務局が提示した論点を基に意見交換した。学習指導要領の部活動の記述については、残すかどうか、両論がぶつかった。主査には静岡大学の北山敦康名誉教授が就いた。
今回示した論点は地域スポーツWGで示したものと同様。実施体制や指導者・活動場所の確保策などを盛り込んでいる。
主査代理を務める富山県朝日町の木村博明教育長は、令和8年度以降の明確なビジョンを国が示した上で、スポーツ・文化を一体的に進めるよう求めた。
また、地域移行を進めるに当たって、地域クラブの指導者配置に関する国からの補助の必要性も訴えた。同町で平日・休日の活動の地域移行を一体的に進めることで、教員が教材研究や個別支援といった「教員の本来業務」に集中できるようになったと話した。
静岡県教委義務教育課の池上潤子指導監は、指導者の他活動場所の確保の課題に言及。学校施設を利用する場合、セキュリティ面の対策など環境整備の必要性があるとして財政面での支援を国に求めた。
全日本吹奏楽連盟の星弘敏常任理事は、地域で吹奏楽の団体を立ち上げようとすると、楽器の購入だけで数百万円程度かかることを指摘。全て個人負担になれば、経済的な格差により参加できない子どもがでてくる恐れがあるとした。
学習指導要領については、部活動がこれまで人間形成・生徒指導の重要な場であった点を指摘。学校教育から分離させるのであれば部活動に代わる機会を教育課程の中に設けるべきだとした。
一方、武蔵野美術大学の大坪圭輔名誉教授は、部活動をこれまでの学校教育の一環だという形はもう限界だと主張した。
部活動の地域移行に関して8月23日にスポーツ庁・文化庁が有識者会議を設置。その下に設置された運動部に関するWGはスポーツ庁が8月28日に初会合を開いた。