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一刀両断 実践者の視点から【第559回】

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辞職と罪の追及

 《「暴言、無視、舌打ち…」斎藤知事パワハラ疑惑アンケート調査 具体的な回答内容明らかに》(MBSニュース)といった見出しの記事にあるように、この問題でメディアは連日のように賑わっている。
 私はこの知事を選んだ側や育てた側から見るようにしている。そこには命という視点がいつもある。皆それぞれに家族があるのだから、身近な人からの信頼を得られているだろうかと考えてしまう。
 そこで疑問なのは、真相を解明しないで辞職させてはならないという指摘である。辞職すると責任を問えなくなるという論理だろうが、この捉え方がどうして成り立つのか不思議でならない。
 恩赦とか情状酌量とか、かなりの曖昧さが日本の法律には内存され改善されてはいない。
 一番は詐欺案件だ。留置されて出てきたらまた繰り返して至福は肥やせるとか、外国人への法の縛りの弱さがある。現実に馴染まない法が多過ぎる。
 教員の不祥事も辞職したら追及できない現実がある。罪が罪として裁かれない不可思議が是正されない事により、泣き寝入りする面々の悔しさと恨みは晴れる事はない。学歴重視が蔓延る社会ではこうした出来事が続いてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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