日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第558回】

NEWS

論説・コラム

謝らぬ国の根底

 《「全く受け入れられない」中国軍機による初の領空侵犯、防衛相「重大な主権侵害だけでなく、安全を脅かす」》(共同通信)という見出しの記事に違和感を持った。
 国際法としてやってはならない事をしていても、「厳重に抗議」で済まされている。これではルールが成り立っていないと言う証であり、何度繰り返しても「遺憾に思う」とか「厳重に抗議」と応じるのだから、再発になる。
 衝突を避ける為の意思表示であり、ルールにはなっていない。これを他国に行った場合はどうなるだろうか。仮に攻撃されたり拿捕されたりされてもルールならば反論のしようはない。
 ここにも教育がその根底をなしている事が見えてくる。すぐ謝る国や決して謝らない国と分けると見えてくるのが、教育である。
 そのように教え込まされている刷り込みが価値観や法律を作っていく。謝ると言う価値観のない国に謝れと言っても笑われて終わる。善悪の基準が違うのだから対話にはならないのである。
 ある県の知事がかなりメディアに追及されているが、その質疑の無意味さが如実になっている姿には、ある意味感心してしまう。何を教えてきたのか恩師の顔が見たいところだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載