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一刀両断 実践者の視点から【第551回】

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論説・コラム

事実を伝えるだけでよいか

 《日本各地で投下された49発の模擬原爆“パンプキン”が生んだ悲劇と米の“核戦略”》(テレビ朝日)という見出しの記事には驚いた。私たち教師は教科書の内容だけを教えていてよいのだろうかと思わされる時がある。
 フェイクニュースや個人の考えを押し付けるのは公教育としては馴染まない。正しい情報を伝え考えさせて児童生徒が自己の判断力を高める事が求められる。
 明らかになる事実と明らかにされなかった事実がある。それは何故なのかというクリティカルシンキングが日本の教育にはかなり欠けてはいないだろうか。
 ニュースを鵜呑みにして感情のままに伝える事は危険であるし、間違っていた場合は訂正が効かない。
 根拠をしっかりと押さえて提示したり教材化したりする事は必要ではないだろうか。その一番は身近な地域教材の開発である。
 自分のルーツも興味深い。何故ならあの悲惨な戦争を生き抜いた先祖が居たから今の自分が存在しているからである。そこに感謝や追悼を感じさせる必要がある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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