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その仕事、する?しない? 教師の仕事をスリム化する3つの原理

13面記事

書評

日野 英之 著
判断基準と事例を示す

 教員の働き方改革が叫ばれて久しい。だが遅々として進まず、というのが実際のところであろう。
 著者は「自分が誇りを持って勤めてきた教員という職業を『ブラック』だと呼ばれることには些か抵抗感があります。なんとか教員という職のイメージを変えたい」という思いから、教員の一つ一つの仕事について、その仕事をするか、しないかを判断するための基準を示している。
 第1章「教師の仕事をスリム化する判断基準はこれだ!」では、仕事をすると判断するための「スイスイの原理」と「ワクワクの原理」、仕事をしないと判断するための「モヤモヤの原理」が示され、第2章「3つの原理こんな風に使おう」で個々の事例を挙げている。
 特に、「スイスイの原理」の事例、内容に魅力がない研修への参加に対してはどのような考え方をすると良いのかや、「ワクワクの原理」の事例、隣の学級の担任から学級通信の発行に対して異を唱えられたらどのように考えるかなどは、著者の考え方に共感を覚えるのではないだろうか。
 さらに、現場の先生方からの困り事に答える、第3章「こんなときどうする?事例Q&A」では、PTA主催の土日活動への参加や家庭における子どもたちのSNSトラブルの対応など、どの教員も一度は悩むであろう事例が挙げられており興味深い。
 今後、働き方改革を進める上で、大いに参考になる一冊である。
(1760円 学事出版)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)

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