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一刀両断 実践者の視点から【第547回】

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「間違いは起きる」の認識を

 千葉県の教員採用試験で問題が噴出している。《「ずさん」な教員採用試験 出題ミスや開始時間遅れ「終了後に解答を修正できた」「試験監督ごとに指示が違う」 受験生から指摘相次ぐ 千葉県教委「公平性は確保されていた」》(千葉日報)という見出しの記事には元関係者として極めて残念に感じられた。
 人間はミスを犯すものであり、油断をしやすいものである。私も何度もヒヤッとした経験はある。だからこそまっさらな目で見直す工夫が必要であり、まさかこんなミスがと思える様なところに起きるものである。
 私はよく早朝に見直す工夫をしていた。何故なら夜は疲れもあり注意力は低下してしまうという傾向があったからである。よって、点検は早朝にすべて変えた。そのお陰でミスを随分と防ぐ事が可能になった。その習慣は今も続いている。
 受験生の努力を反故にしないためにも、自己の仕事を疑う様に心掛けた。失態は相手の人生を左右するからだ。一度躓くと修復にはかなりの労力と忍耐が求められる。それは想像を超える負担となる。
 仲間内のチェックには限界もあるから、部外者をあえて設けて指摘をさせる時間や期間を位置付けないと繰り返されかねない。
 特に担当が変わったりした場合、その業務は教員勤務とは大きく異なり見過ごしかねない。
 基本は「間違いは起きる」と認識して臨む事である。慢心や曖昧さや過信により一度失った信頼を回復する困難さは厳しく、一生忘れられないものとなるからである。自戒
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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