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一刀両断 実践者の視点から【第545回】

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日米の報道の違いを授業に

 トランプ氏銃撃の報道が世界を駆け巡った。またかとも思える事件である。
 ここで注目したいのは、容疑者が20歳であり、即射殺されると言う現実である。
 殺さないで取り押さえると言う発想がない事が米国にはあるから真相もあれこれと作られる。
 死亡した方や重傷になられた方の名前は出さないで容疑者とトランプ氏の2人のみの話題に絞られている。
 日本なら被害者の事にも触れるだろうが、米国では報道の視点がかなり異なる様に感じられた。
 では、なぜそうした違いが起きるのだろうか。ここに注目した授業を組み立ててはどうだろうか。
 国民が求めるニーズが違うからか、メディアの姿勢からか。報道に現れる価値観の違いなども道徳で学んではどうだろうか。
 20歳の青年が100メートルを超える地点から狙撃が出来る国は銃社会だからか、さらに射殺される事は理解していただろうから、価値観があまりにも日本とは異なる。
 反面、知事のパワハラを訴えて自死し、副知事が辞任すると言うこの明らかな違いがほぼ同時に起きている。どちらも死という視点から見たらどの様に教え考えさせるべきだろうか。次回の授業はそこから切り込みたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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