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一刀両断 実践者の視点から【第544回】

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論説・コラム

辞職で責任が果たせるか

 兵庫県政が混乱している。斎藤知事のパワハラ疑惑を告発した職員が死亡し、副知事は責任問題で退職するという。この動きを報じる記事には違和感を持つ。責任を取ると言う言葉で解決に至るのか。
 よくこうした責任論が出るが、辞任して改善されたとは思えない事が多い。不祥事があると本人や関係者でなく教委の幹部が頭を下げて済ませる光景が重なる。ことの本質は何ら改善されないのである。
 確かに限界を超えて苦しいのは分かるが責任の取り方は、辞職でなく、課題の解決にある。そうでないと亡くなった方の無念は晴れないだろう。
 自己を反省して去ると言う選択肢もあるだろうが、それでは本質は何も改善されない。
 反省して大勢の中で大義を失わす信義を尽くす事が責任の取り方では無いだろうか。
 悪質なデマや愚かなリーダーの元にあっても信義を果たすにはエネルギーが必要となる。いかに辛くとも私なら辞職という判断はしない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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