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おさらい 新共通テスト 変更のポイント(3)

12面記事

教科・指導

試作問題で出題された二次元コードの問題

公開問題で初見の内容に慣れる
情報

 新課程対応の大学入学共通テストで、最も大きな変更と言えるのが「情報Ⅰ」の新設だ。現行の学習指導要領改訂の協力者なども務めた東京都立三鷹中等教育学校の能城茂雄・指導教諭に変更点と対策を解説してもらった。

 情報Ⅰは共通テスト2日目の最後の時間帯(17時から18時)に、試験時間60分、100点満点で実施される。既に報じられている通り、国立大学の一般選抜では95%以上の募集単位が必須として課すこととなった。また、私立大学でも約半数の募集単位が選択で課す。情報Ⅰの試験対策は、大学入試対策にとても重要な要素となる。
 経過措置科目として「旧情報」も実施される。旧情報では、高校において「社会と情報」「情報の科学」のいずれかの科目を履修していても不利益が生じないように両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、「社会と情報」「情報の科学」に対応した問題から選択解答することになる。
 共通テストは、過去問対策が非常に重要である。情報Ⅰで学んだこと、授業で学習したことを身に付けている生徒が有利になるような問題が出題されることが予想される。
 しかし、その一方、出題方針に目を向けると「社会や身近な生活の中の題材や受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に示された事例や事象について、情報社会と人との関わりや情報の科学的な理解を基に考察する力を問う問題」「問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題」を検討するという。 
 これは授業で学んだことから出題されるだけでなく、初見の問題も出題されるということを示唆している。
 この方針に慣れるために、過去問を解いておきたいが、あいにく過去問はない。大学入試センターが公開している「検討用のイメージ」「サンプル問題」「試作問題」という三つの問題セットに取り組むことが有効だ。
 これまで同様、他教科の学習にも十分時間をかける必要があり、情報についても限られた時間の中で効率的に学習を進めることが求められる。本校では、使用している教科書だけでなく、さまざまな副教材や有料・無料のオンライン教材も組み合わせて学習を進めている。それぞれの教材に取り組むときにも、学習指導要領に対応した力が身に付いているかを各自が確認できる形で、オンラインツールを使用し、学習の前後に生徒自ら理解度を把握できるようにしている。
 情報Ⅰは1年次に履修する高校が多い。2~3年次の学校生活や学習全般で、プログラミングやデータ活用の理解を深めることが重要になる。

変更点
 ・大問数は4問。新旧課程で共通問題あり
 ・大学入試センター独自の日本語のプログラム表記で出題(予定)

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