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一刀両断 実践者の視点から【第541回】

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論説・コラム

行政が議員を勘違いさせる

 札幌市の職員を東京まで出張させて説明を求めた北海道選出の国会議員が一連の行動について謝罪したという。本件に重なる経験がある。
 あるミスをして議員に違う情報を伝えてしまった事があった。直接お詫びにと課長と3時間掛けて訪問、ドアフォンでの会話はまもなく切られた。
 落胆しながら吹き曝しの駅で最終電車を待った事があった。
 内容は採用を依頼された人物の不合格を手違いで合格として伝えてしまったのである。結果として救済措置をして合格になったのだが、後味の悪い思い出である。
 人の採用となると議員の応援団が名を連ねる。手心は加えなくとも、連絡は早めに入れて依頼者に恩を売るのだろう。
 議員を勘違いさせるのは行政側ではないだろうか。私は二度ほど議員や上司の横槍を聞き流した事があったが、確実に年度末には異動となった。実にわかりやすい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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