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一刀両断 実践者の視点から【第540回】

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小学校授業で児童水死

 《高知市で水泳授業中に溺れ搬送されていた小学生が死亡 小学校のプール使えず中学校のプールで授業》(ABCニュース)という見出しの記事は実に重たい。
 水位を下げていたか?3名の教師の配置と監視分担は?そうした疑問が浮かぶ。
 通常は水の中に一人、陸上に対角線で2人、死角が起きないように指導にあたる。概ね14人程度を視野に入れるのが基本になる。
 こうした指導法の確認は事前に研修が義務となっているはずである。着衣泳などの研修を取り入れて校外での水難事故に備えるのが水泳指導である。
 危険を予知予測するのがプロに求められるスキルである。溺れた子を子供が発見したという。理解できない。監視していなかった事が推察される。そうなると明らかな過失となる事案になる。
 その意味では、水深30センチでも溺れるし心臓麻痺もいつ起きるか分からないのだから細心の注意と連携が必要とされる。
 気になるのは油断がなかったかであり、怠慢やマンネリが大事を招いてしまう。こうした視点から徹底して原因を探究すべき事件と言える。また、児童の亡くなったプールで今後水泳指導をどのような気持ちで行うのかも気になるところである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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