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一刀両断 実践者の視点から【第538回】

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 北海道旭川市で女子中学生が公園で凍死した件について、再調査委員会は「いじめ」が自殺の主要因だった可能性が高いとの結論をまとめたという。「いじめ」と死との直接の因果関係は認めなかった委員たちの氏名の公表はしないのだろうか。コメントも出して欲しいものである。
 ほとんどの第三者委員会は形式優先のように感じられる。最初から結論へ導く為のストーリー作りなのではないだろうか。
 もちろんそうではない委員会もあるだろうが、今回のように遺族の願いがあったからこそ実現した真逆の調査結果に「やっぱり」と思えてしまう。
 そこで気になるのは委員の人選を誰がどのようにしているかと言うことである。
 近隣でも始業式に飛び降り自殺した中学生が居た。結論は遺族が望んでいないのでと闇に伏された。
 もちろんこうした事が起きる前に防ぐ事が肝心であるが、そういった研修会に参加しても腑に落ちない事が私は多かった。
 今そうした依頼の研修会講師を依頼されるが、指示、伝達、事例の紹介に終わるのでなく、なるほどと納得して今からでも行動に移せる事を私は提案し演習している。自死してからでは届かないからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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