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幸福感、友達関係との関連性最も強く 学力調査を分析

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 小・中学生の幸福感は、どちらも友達関係が最も強く影響している、とする分析結果を京都大学の研究チームが報告した。教師からのサポートの影響も大きく、周囲の友達や教師との関係性が子どもの幸福感を支えていることが伺われた。
 令和5年度に実施した全国学力・学習状況調査の質問紙調査の結果を、京都大学の内田由紀子教授らが分析した。「学校に行くのは楽しいと思いますか」「普段の生活の中で、幸せな気持ちになることはどれくらいありますか」といった質問項目への回答から、幸福感と友達関係、自己肯定感などの相関を調べた。
 すると、小・中学生ともに「友達関係」との関連性が最も強く、次いで「教師サポート」「教科への態度」が上がった。「教師サポート」は、質問紙の「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」などの項目を、「教科への態度」は「国語の授業内容はよく分かりますか」などの項目を分類した。
 また学力との関係を見るために「教科への態度」や成績に影響する項目を調べたところ、話し合い活動を通じて自分の考えを深めているかなどを聞いた「協働性」との相関が小・中学生ともにあったという。
 友達関係や教師からのサポートが子どもの幸福感に強く影響していたことについて、研究チームは報告書で「学校という場を良いものにしていくことが重要な課題。そのためにも教師のウェルビーイング(幸福感)が重要だ」と、学校の業務改善の必要性を指摘した。

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