第19回 出光興産環境フォト・コンテスト 「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」入賞者が決定!
13面記事小学校部門金賞『電気を使わず歩いてみよう』。人工物である階段とエレベーターからも、環境配慮への着眼点がある。
夏休みの課題や授業での活用が進む
わたしたちの身近なところにある、いつまでも残したい「○」の風景と、すぐにでも改善したい「×」の風景を写真にして、コメントを添えて作品にする、出光興産(株)主催の第19回(2023年度)環境フォト・コンテストの各賞が決定した。
本コンテストは出光興産が、次世代を担う子どもたちに環境問題を身近に感じ、意識を高めてもらう機会を提供することを目的に2005年から開催。学校の夏休みの課題や授業での当コンテストの活用が進んだことで、今回も、全国の学校から1万2704点に及ぶ作品が集まった。
応募作品に目を通すと、自分たちのまちの美しさに誇りを持ち、大切に守っていこうという心や、「×」の状況を嘆くだけではなく、どうすれば改善できるのかを懸命に考えている様子が伝わってくる。しかも、SDGsも含んだ視点で環境問題を捉えるなど多様な側面から課題を見いだし、それを行動につなげようという意識が年々高まっていることがうかがえた。
「気づき」を「行動」に変える、素晴らしさ
小学校部門では、そんな他の作者とは視点の異なる、「人の行動」と「環境」を結びつけた作品として審査員の高い評価を受けた、伊藤真理彩さんの『電気を使わず歩いてみよう』が金賞に輝いた。
役所の2階にある図書館に行くために使う階段とエレベーターは、一見、どちらも人工物で環境とは関係がないように思える。しかし、作者はエレベーターが故障した日に、5年生になった自分なら階段でも楽に昇り降りできることに気づき、「今まで私一人を運ぶためだけに大量の電気を使って重いエレベーターを動かしていたのだ」と反省する。それからは積極的に階段を使い、「節電」と「健康」の一石二鳥を楽しんでいると綴った。
中学校部門の金賞は、田代瑛大さんの『ハグロトンボとゴミ』が受賞した。作者は川に遊びに行った際、珍しくて美しいハグロトンボを見て自然が豊かだと感じた一方で、ゴミが落ちていることを残念に思い、「清掃活動などがあれば積極的に参加できるようにしたい」と心に決める。写真はどちらも遠目で見ると透明感のある写真だが、「温かさ」と「冷たさ」が際立っており、中身がまるで違う。この2枚をまとめた着眼点が素晴らしいと評価された。
中学校部門金賞『ハグロトンボとゴミ』。川で出合った美しい色合いのトンボと、危険で残念な光景。
生徒たちの思考の深まりを実感
高校・高等専門学校部門の金賞は、白石翔さんの『紫雲出山の陰と陽』が選ばれた。青空の下で咲き誇る桜と、美しい桜を咲かせていたとは想像できないほど朽ち果てた太い樹を対比。どちらも、地元の名所として大切に守られてきた桜の木だが、近年では伝染病や大気汚染などの環境の変化で桜を守っていくことが難しくなっている。その状況に危機感を感じ、「環境破壊を抑え、綺麗な環境にしたい」と訴える作者の思いがダイレクトに伝わる作品だ。
また、学校団体部門の最優秀賞は、高島市立安曇川中学校(滋賀県)が受賞。「変わりつつある故郷の○と×を通して、みんなで共感し、郷土愛を育もう」を目的に、昨年度に続いて参加。指導教諭は「テーマがより環境視点になり、SDGsの取り組みと合わせた意見も現れるなど、生徒たちの思考の深まりが見られました。生徒も主体的に作品づくりに取り組み、大人たちの気づかない場所に目を向けたり、精一杯考えて撮影し、選り抜きの一枚を選んだりして提出してくれました」と手応えを披露。今後は地域で暮らす人たちにインタビューしたり、壁新聞で発信したりするなど、この取り組みをさらに進めていく意向だ。
このように本コンテストは、身近な生活の中から環境配慮への気づきを誘発し、自分たちが暮らす地域について考えたり、自らの行動に移したりできる魅力がある。また、そこから探究的な学びに発展させ、よりよい解決策を探ることで、自分たちの生活や未来と密接に関わることを知り、世界や社会を包括する問題として視野を広げていくことができる。
環境フォト・コンテストに関する詳しい情報はホームページまで。
https://www.idemitsu.com/jp/fun/photo/
今年度の募集を開始!~ 未来につなげる「○(まる)」がある。未来に変えたい「×(ばつ)」がある。~
出光興産は、今年で20回目となる環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」(後援:環境省、文部科学省)の募集を開始する。応募は、小学校、中学校、高校・高等専門学校の部門に分かれており、部門ごとの賞や特別賞を設けている。また、学校単位で応募した学校を対象に「学校団体賞」を設け、学校団体応募者全員に参加賞も進呈する。各部門の審査は、写真のクオリティー、○と×の組み合わせとテーマ、作品コメントとして記入された環境に対する視点や考え方を総合的に評価する。募集期間は7月1日から9月30日まで。
詳細は特設ウェブサイトへ
https://www.idemitsu.com/jp/fun/photo/
問い合わせ先:出光興産(株)お客様センター
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