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学年主任の人間関係術 全員が輝く学年団のつくり方

16面記事

書評

佐野 陽平 著
若手対応など Q&A形式で

 学校運営の屋台骨を支えるのは、教務主任や生活指導主任かもしれない。だが、子どもの日々の教育活動を支えるのは学年主任であり、子どもの学習面、生活面、健康面等、全ての責任を分掌されているといっても過言ではない。当然、その立場での悩みは多い。その中で、学年の教員団をどのようにまとめていくかという悩みは、どの学年主任にとっても必ず通る道であろう。 
 本書は、「学級がしんどくなっても、信頼できる学年団なら、頑張れる」という著者の考えの下、人間関係づくりを中心に、学年主任としてどのように働くかが書かれている。
 特に、第4章の「学年主任の人間関係構築術」では、「対若手、ベテラン共通編」「対若手編」「対ベテラン編」「対管理職編」「対保護者編」「対その他の教職員編」と対象を分けて、人間関係の構築方法がQ&Aの形式で述べられている。その中の「自分にとって苦手な人との関わり方」や「自分の意見に従わせたがる先生」「関わり方が難しい保護者との繋がり方」等の内容は大変興味深い。また、「休日でも若い先生から、LINEで授業の進め方の相談が絶えないのでどうしたらよいか」という昨今の悩みへの回答も新鮮である。
 初めて学年主任を任された人、これから学年主任になろうとする人には、特に参考になる一冊である。
(2200円 明治図書出版)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)

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