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一刀両断 実践者の視点から【第530回】

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いじめ調査、時間がかかる訳は

 《東京・青梅市立中でいじめ、重大事態報告書公開 市教委公表遅れを謝罪》(産経新聞社)という見出しの記事から対応の遅れが常識を超えている事が分かる。教委の対応力の怠慢なのか風土なのかいずれにしてもあり得ない年数である。
 様々な理由はあるだろうが、誠意はスピードと言われる様に難しい案ならばこそ急いで進めるべきである。それが仕事のやり方である。
 教育委員会の責任者の認識の低さが全てに反映している様に思えてならない。仮に特異な案件ならばきちんと説明できる様にして訴訟にも耐えられるように準備しながら事を進める必要がある。
 記事の通り、容姿についての悪口や物隠しなど、即刻対応すべき案件が改善されていないとなると、制御されていない学級風土が蔓延していたのだろう。学校組織として対処すべきものが効果をなさなかったか、しなかったかとなる。
 こうした機能不全の学校組織を教委はどの様に把握し介入していたのだろうか。全てが後の祭りに感じられてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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