一刀両断 実践者の視点から【第521回】
NEWS実は2倍以上あった「いじめ自殺」
いじめが「原因・動機」となった児童・生徒の自殺について、西日本新聞は、「計上漏れ」があると報じた。記事によると、10年間で少なくとも44人が集計から漏れていた。統計上は42人だったので、実際は2倍以上の数値だったという。
やはりそうだったかと頷けた。現場感覚からしたらあまりにも少ない数字に感じていたからである。意図的ではないと信じたいが疑問も残る。各自治体の担当者も疑問に感じなかったのだろうか。
新聞社の調査で明らかになるとはあまりにもお粗末すぎないだろうか。倍の数字でこれまで論議され改善策が練られていたら内容は大きく変わってきただろう。
中には自殺を心不全として処理した話も聞こえてくる。死にたくて生まれた子供はいないのだから、もっと真摯に丁寧に命を扱うべきではないだろうか。ここにも命を軽視している意識を感じてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)