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一刀両断 実践者の視点から【第510回】

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中庸の視点をもたらす使命

 環境省が水俣病の被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談でマイクを切るなどして団体側の発言を遮った問題はかなり深刻で根深い。
 こうした行為ができる感覚がまだ残っている事が明らかになったのだから、コンプライアンスの視点から厳しく処罰して再発を防ぐ為にも自浄作用を示すべきである。
 疑義を唱える者も見えなくなっているとなると、業務全体への不信感は増幅される。今回の対応をある党首が「寄り添うべきだ」と指摘していたが、「処罰するべき」と言えないところに課題がある。
 当然の如く問題にされるであろう事、明らかな嫌がらせで意図した行為が、最初からシナリオにあった、と報道されていることが真実ならば組織犯罪として扱うべきではないだろうか。
 ただし、批判ありきにするのでは無く、再発しない組織にするにはという中庸の視点が大切である。そこに教育の使命がある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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