ChatGPT×教師の仕事
14面記事南部 久貴 著
指示の書き方例も豊富に
「他の案を提案してください」。先生同士の間でこんなお願いをしつこくしていたら、人間関係にひびが入るだろう。だが、こんな無茶ぶりにも答えてくれるのが、ChatGPTである。著者は育休中に赤ん坊を寝かしつけた後、「ChatGPTの限界を探るために、人間と話すよりも多くの時間をAIと会話」していたという。本書はその成果を教師の仕事に限定しながら、まとめたものだ。
得意・不得意を探り、安全性とプライバシーに配慮するなど付き合う上での「ChatGPTの基本」を語り、ウェビングマップやフィッシュボーンなどとChatGPTを組み合わせて思考を深める使い方、魅力的なアクティビティー、教科横断的な企画など「授業計画」を立てるための生かし方、アンケート結果の分析や音声認識機能と組み合わせた議事録作成、推薦文の原案作りなど「校務」上での活用法―などを全7章で展開した。
有料版「ChatGPT‐4」で別のアプリケーションと連動させたワンランク上の使い方や、高校英語教諭としての著者が問題作成の効率化や英文添削など、授業支援を可能にする「ワークシート作成で活用するアイディア」も掲載する。
AIの提案はあくまでも議論や考えを練る際の「たたき台」とし、人がブラッシュアップしていく。ChatGPTへの指示の書き方例なども豊富で、読者自身が自分の仕事を実現するための問いを立て、やりとりする際の参考になる。
(2156円 明治図書出版)
(矢)