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「誰一人取り残さないICT利活用での学びの世界」をテーマに開催

10面記事

ICT教育特集

山西潤一 会長

 1人1台端末の活用が日常化し、「協働的な学び」と「個別最適な学び」の充実を目指している中、一般社団法人日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)では、3月15日(金)と16日(土)の2日間、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、毎年恒例の「教育の情報化推進フォーラム」を開催する。今回、日本教育情報化振興会の山西潤一会長に同フォーラムの趣旨や見どころ、注目の講演などについて話を聞いた。

 一般社団法人日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)では、1年間の活動の総決算として、「誰一人取り残さないICT利活用での学びの世界」をテーマに、恒例の教育の情報化推進フォーラムを開催させていただきます。GIGAスクール構想もNEXTステージに入り、端末やクラウドの日常活用が進んできていますが、可能性とともにまだまだ課題も少なくありません。昨年末、PISA2022の結果が公表されました。数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーの3分野とも世界トップレベルとの結果です。その要因の一つに、生徒の情報活用能力の向上で、CBTへの適応力が増したとのこと。ICT学習環境整備の成果と言われています。しかしながら、次代に求められる自律的な学びを問う設問では、OECDの平均を大きく下回り最下位に近い結果でした。
 令和5年度から始まった第4期教育振興基本計画では、基本的な方針として、グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成、誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現等が掲げられています。GIGAスクール構想でも、多様な子どもを誰一人取り残すことなく、子どもたち一人一人に公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育環境の実現が目標とされています。セカンドステージに入ったGIGAスクール構想では、より一層、自律的な学びやインクルーシブ教育システムによる多様な教育ニーズへの対応が求められており、生成AIの出現で教育の内容や方法も変わる可能性があります。情報活用能力を育む教育のより一層の充実と、AI時代に対応した新たな資質・能力の向上が求められる時代です。
 このような状況を鑑み、本フォーラムでは、先生方の日々の授業づくりはもとより、未来に向けた学びのあり方を考える内容として、基調講演では「NEXT GIGAについて」と題し、文部科学省大臣官房学習基盤審議官の浅野敦行氏にネクストGIGAに向けた施策の方向性についてお話ししていただきます。また、特別講演では、東京大学大学院情報学環の山内祐平教授に、「初等中等教育における生成AIの利活用―その課題と展望」と題し、話題の生成AIの可能性や課題についてお話しいただきます。基調講演、特別講演を通して、現状の教育から未来の教育を考えるヒントがきっと得られることでしょう。
 また、総括パネルディスカッションでは「インクルーシブ教育におけるICT利活用の未来」のテーマで、パネリストと共に本フォーラムのテーマへの概念化とその実現に迫りたく思います。そのほか、AI時代の情報活用能力育成、デジタルシチズンシップと情報モラル、国内調査部会による教育の情報化に係る調査報告、ICT夢コンテスト入賞者による事例発表の他、会員企業による最新のICT関連製品の展示なども多数行われます。これらを通して、皆さんとともに、誰一人取り残さないICT利活用で、次代を担う子どもたちの学びの世界を広げたいと思います。多数の皆さまのご参加を期待しています。

2023年度 教育の情報化推進フォーラム

テーマ
 「誰一人取り残さないICT利活用での学びの世界」

主催
 一般社団法人 日本教育情報化振興会

日程
 2024年3月15日(金)10:00~18:00
 3月16日(土)10:00~16:00

開催場所
 国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟
 東京都渋谷区代々木神園町3-1(小田急線参宮橋駅 徒歩約7分)
 (https://nyc.niye.go.jp/category/access/

後援
 文部科学省 総務省 経済産業省 東京都教育委員会 神奈川県教育委員会 千葉県教育委員会 埼玉県教育委員会 全国都道府県教育委員会連合会 全国市町村教育委員会連合会 全国都市教育長協議会 全国町村教育長会 全国連合小学校長会 全日本中学校長会 全国高等学校長協会 全国特別支援学校長会 日本私立小学校連合会 日本私立中学高等学校連合会 全国高等学校情報教育研究会 独立行政法人 情報処理推進機構 公益財団法人 学習情報研究センター 一般社団法人 電子情報技術産業協会 一般社団法人 ICT CONNECT 21 日本教育工学協会(JAET) 一般社団法人 日本教育工学会

プログラム

3月15日(金)

【特別講演 10:50~11:50】
 「初等中等教育における生成AIの利活用 -その課題と展望」
 東京大学大学院 情報学環 教授 山内 祐平 氏

【ICT夢コンテスト表彰式 12:00~12:40】

【基調講演 13:20~14:20】
 「NEXT GIGAについて」
 文部科学省 大臣官房 学習基盤審議官 浅野 敦行 氏

【模擬授業 14:50~16:20】
 「情報活用能力を育む授業デザインを考える ~ 中学校数学科の模擬授業から~」
 熊本大学大学院 教育学研究科 特任教授 前田 康裕 氏
 元金沢学院大学 講師 山口 眞希 氏
 北海道教育大学附属函館中学校 教諭 有金 大輔 氏

【セミナー 14:50~15:50】
 「授業実践からみえてきた生成AI(ChatGPT)の本当の活用方法」
 青山学院中等部 情報担当講師 安藤 昇 氏

【パネルディスカッション 16:40~18:00】
 「教育委員会とICT支援員の好連携~小中学校の事例を中心に~」 
・コーディネーター
 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 豊福 晋平 氏
・パネリスト
 教育ICT課題対策部会 副部会長
 株式会社ハイパーブレイン 大江 香織 氏
 瀬戸内市教育委員会 総務学務課
 総括主幹 森原 脩 氏
 つくば市教育局学び推進課(兼)総合教育研究所 
 指導主事 大坪 聡子 氏
 豊中市教育センター
 ICT教育推進係長 河村 祐希 氏
 熊本市教育センター 教育情報班
 主任指導主事 豆塚 克博 氏

3月16日(土)

【模擬授業 10:30~12:00】
 「子どもの道徳的内面を引き出すICT利活用の授業提案」
 授業者 足立区立足立小学校 教諭 杉本 遼 氏
 指導助言 十文字学園女子大学 教育人文学部 児童教育学科 教授
 前文部科学省 初等中等教育局 教育課程課 教科調査官) 浅見 哲也 氏

【セミナー 10:30~11:30】
 「第14回教育用コンピュータ等に関するアンケート調査」中間報告
 一般社団法人 日本教育情報化振興会 国内調査部会 部会長(株式会社JMC) 井上 義裕 氏

【パネルディスカッション 12:40~14:10】
 「AI時代の情報活用能力をどのように育成するか
 ~情報活用能力ベーシックをもとに~」
・コーディネーター
 放送大学 教授 ・オンライン教育センター長 中川 ー史 氏
・パネリスト
 東北学院大学 文学部 教授 稲垣 忠 氏
 放送大学 客員教授 佐藤 幸江 氏
 茨城大学 教育学部 准教授 小林 祐紀 氏

【パネルディスカッション 13:00~14:00】
 「デジタルシチズンシップと情報モラル」
・コーディネーター
 鳴門教育大学大学院 教授 藤村 裕一 氏
・パネリスト
 中央大学 非常勤講師 榎本 竜二 氏
 千葉大学教育学部附属中学校 副校長 三宅 健次 氏
 川崎市教育委員会 指導主事 和田 俊雄 氏

【総括パネルディスカッション 14:30~16:00】
 「インクルーシブ教育におけるICT利活用の未来」
・コーディネーター
 一般社団法人 日本教育情報化振興会 会長 山西 潤一 氏
・パネリスト
 戸田市教育委員会 教育長 戸ヶ崎 勤 氏
 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所
 インクルーシブ教育システム推進センター 上席総括研究員(兼)
 センター長 久保山 茂樹 氏
 信州大学 教育学部 准教授 佐藤 和紀 氏

両日開催 ICT活用実践事例発表・最新教育ICT展示会

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