1人1台端末の“日常使い”がもたらす効率的な学習
9面記事画面に生徒の意見を共有しながら解説する松本教諭
熊本国府高等学校
熊本国府高等学校は、1941(昭和16)年に熊本商工会議所が設立した熊本女子商業学校を前身に持ち、1995(平成7)年に男女共学となった。現在、普通科には特進コースやアスリートコース、ビジネス科にはコンピュータサイエンスコースや、3年次で公務員コースを設置するなど多様な進路希望に応える教育を展開している。学校共通の合言葉は「君への追い風 はじめる物語(ストーリー)」だ。「追い風とは、生徒自身や卒業生、そして教師や保護者、地域などを指します。本校に関わるすべての人達が一体となり生徒の向上心を後押ししたいという意味が込められています」。そう話すのは谷口晋平校長だ。今回、同校が導入しているカシオ計算機の「ClassPad.net」をどのように活用しているか、教育効果について紹介する。
熊本国府高等学校 校長 谷口晋平氏
ICT教育先進自治体で求められるアプリの質
熊本市はコロナ禍の折、公立小中学校で全国に先駆けてオンラインの双方向授業を実現したICT教育先進自治体として知られる。今の高校生のほとんどは中学校で1人1台端末を使って学校や家庭で学んだ経験を持つ。「ICTで学ぶのは当たり前」という生徒や保護者の期待に応えるには端末や通信環境に加え採用するアプリの質も問われる。
そこで授業支援機能に加え、オンライン辞書機能が充実した「ClassPad.net」を導入することにした。電子辞書とタブレットの2台持ちの必要がなくなり、また自宅学習でも活用できると見込んだからだ。谷口校長は、「辞書機能以外にも多彩な機能が備わっていると知り導入に至りました。生徒と先生がリアルタイムにやりとりできるので授業の効率化だけでなく、主体的な学びにもつながっています」と語る。
考える時間を確保し健全な批判的思考力を育成
1年生の「現代の国語」の授業では、現代文「文化としての科学」の精読でClassPad.netのふせん機能と送受信機能を活用し文化と文明の違いについて、具体例を挙げながら考えを出し合っていた。ClassPad.netの導入前まではテーマを教員が板書し、挙手した生徒の発言を他の生徒が聞くだけで、全員の意見は共有できなかった。だが、ClassPad.netを使えばテーマは教員から生徒のタブレットに一斉送信できる。また生徒はふせんに書き込んだ自分の意見を教員に送信でき、クラスメートのふせんも一覧できる。
担当する松本真也教諭は「生徒には健全な批判的な思考力を身に付けてほしいのです。そのためにはじっくり考える習慣が大事。ClassPad.netを使うことで考える時間を確保できたのが大きいです。書いた意見は一瞬で共有できるので授業のライブ感が高まりました」と、授業が活性化したことにメリットを感じている。
それは生徒も同じで、上村柊斗さん(1年)は「ClassPad.netを使えば、ふせんを互いに見られるので、クラスのみんなや先生の意見も分かるから便利になりました」と話す。
自分のペースで勉強できるから意欲が高まる
デジタルノートを活用して授業を行う浦田教諭
ClassPad.netは英語をはじめとする辞書機能が充実しており、生徒は学校だけでなく自宅でもフル活用しているようだ。志賀杏奈さん(2年)は「英単語や古文単語を辞書機能ですぐに検索できるのが便利です。検索したあと、単語を登録して単語帳にまとめられる機能をよく使っています」と話す。
英語科・浦田大夢教諭の「論理・表現」の授業では、ペアを組んで相手のことを紹介する英作文に取り組む。デジタルノート上に入力し、提出から添削、返却までClassPad.net上で完結するので添削のサイクルが速くなった。
生徒は返却された添削を見ながら、同じ画面で辞書を立ち上げ間違えた部分を確認することができる。「ペーパーでやり取りしていたころは提出から返却までの時間のロスがあった。今は生徒が自分のペースで提出できるので前向きに取り組む生徒が増えたと感じます」と浦田教諭。
意欲の高い生徒には発展的な課題を配信するなど、個別の対応もしやすくなった。中川航佑さん(2年)は送受信機能をフル活用して英検の勉強に取り組んだ。「先生にライティングを添削してもらいました。会いに行かなくても、自宅からでも先生とやりとりできるのは便利でした」と話す。
浦田教諭は「今後はClassPad.netのスピーキング練習アプリなども使いながら話す力の向上にも活用していきたいです。生徒同士で送受信が可能なことから、生徒による相互添削ができる力がついてくれると嬉しいです」と語った。
1人1台端末を活用した授業が当たり前の光景になった今、小中学校で身に付けたICT活用能力を高校ではさらに高めていくことが期待されている。高木皓志郎さん(2年)はClassPad.netで変化した学習スタイルに満足している様子だ。「学校は今の学び方に合わせてタブレットや電子黒板、ClassPad.netなどのアプリを充実させてくれています。さまざまな教科の勉強がタブレット1台ででき、先生ともやりとりしやすくなったのが一番の変化だと思います」と話している。
「熊本国府高等学校」についてはこちら。
http://www.kumamotokokufu-h.ed.jp
ClassPad.net無料トライアル版の申し込みは次のURLから。
https://eduinfo-di.casio-intl.com/l/844953/2023-07-23/pvyvds