一刀両断 実践者の視点から【第433回】
NEWS箱根駅伝、本来の姿か
100回記念の箱根駅伝が沢山のドラマを連ねて終わった。
私が所属する大学もギリギリで予選会を通過できていない。シード校の監督と懇談をした際に、「それは大変ですよ。大学に入ってから開始する学生ばかりで、有名校からの学生は皆無なのですから。並大抵の努力では出場できないと思います」と語った。
また、ある著名な監督からともかくスカウトで勝負はほとんど決まっていると指摘されたことがあった。
有望選手を獲得する為に全国から情報を集めスカウトに回る。その時提示される条件も財力やネームバリューが大きな要素になる。ある意味お金を積まれるわけである。
箱根を中学校から目指して名門校を渡り歩いて大学に来る選手と、ほとんど興味もなく運動もやったことのない学生が初めて走る事を体験する、言わばスター選手と素人の選別された軍団のショータイムとも見えてくる。
勝ち誇って喜ぶ監督を翌年から真逆の大学で指揮を取らせて同様の結果を出せるような采配が出来る人物が今の箱根駅伝に居るようには感じられない。これが本来の目指している姿なのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)