一刀両断 実践者の視点から【第431回】
NEWS感覚のズレ、直せるのか
《自殺ほのめかすノートに花マルと「You can do it」書いた教諭…県教委は懲戒処分せず》(MBSニュース)といった見出しの記事が流れている。
当該教員には指導改善研修を受けさせるとのことである。この判断は適切なのだろうか。
花マルはよく読んでないで事務的に済ませていたらそうした事もあるかもしれないが、「do it」は理由にならない。これを励ましたつもりとしているのだから、相当な認識のズレが起きている。
こうした感覚のズレを直せるのだろうか。結論から言うと困難である。
重大案件になっているのだから、分限の処分として職を変える必要がある。とてもこの感覚では教師は務まらない事は分かるし、たかが半年の研修でこの資質や判断力が修正されると言うのなら実に画期的な研修プログラムであり、全国に普及して欲しいものである。
こうした記述がおかしくないと判断できるような関係が起きえるのかを多面的に考えたが思いつかない。通常の関係ならばこうした記述は問題にされて当たり前と予知できるはずである。
何故そうしたのか、普段の判断は子供との関係がどうも歪であったとするなら、そこを見極めて予兆を把握して指導助言をするのが組織であり、こうした稚拙な事が容認されている体質にもかなりの課題が見えてくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)