日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第427回】

NEWS

論説・コラム

現実の矛盾と不備を教えたい

 《2歳児閉じ込め…熱中症で死亡 男に懲役6年の実刑判決 大阪・富田林市》(日テレニュースNNN)という見出しの記事には合点がいかない。
 明らかに死ぬことが想定されるのにその残虐な行為をして死亡させても懲役6年とは考えにくい。ここに日本の法律の歪さがある。
 終身刑が相当に思える。模範囚とされたり恩赦などがあったりするとさらに刑期は短くなる。2歳の命はそれほどの価値しかないのだろうか。
 無抵抗の幼児を殺害してもこの程度の処罰しかできない日本の法律は何の規制力もないように感じられてしまう。
 こうした事実を扱う授業はあるだろうか。私なら中学生や大学生の教材にして、現実の矛盾と不備を理解させるだろう。
 今回の政治資金規正法違反容疑は企業からの支援を受けて便宜を図らなくともよいように全国民から政党助成金を出させている。しかし、相変わらず30年が過ぎても企業からのお金は名簿に記載してあればよいことにされている。
 これが現実で司法が機能していないのである。こうした三権分立が権力構造の中で国民を犠牲にして権力者の都合の良いようにされている現実を教えないと未来は変わらない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載