教職員定数、算出方法見直しを 中教審特別部会
NEWS 文科省は14日、中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」を開き、教職員定数の改善や配置を議論した。教職員定数の算出方法の見直しや、持ちコマ数の設定を巡って意見を交わした。
教職員定数は学級数などに応じて算定される基礎定数と、目的に応じて配分される加配定数に分かれている。基礎定数は学級数に「乗ずる数」と呼ばれる係数をかけて算出。乗ずる数は法制定当時の小学校で1人の教員が週6日24コマ程度授業することを念頭に決まったとされる。
会合で愛媛大学大学院の露口健司教授は「現在の完全週5日制の基準で乗ずる数を検討する必要がある」と指摘。教育研究家の妹尾昌俊氏は「義務標準法制定当初に1日4コマと考えられていた趣旨が無視されている実態がある」と述べ、基礎定数を改める必要性を訴えた。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの善積康子・主任研究員は、乗ずる数の設定根拠に疑問を示し、時代の流れに合わせた見直しを求めた。
研究者らが求めている教員の持ちコマ数の上限設定についても意見が挙がった。埼玉県戸田市教委の戸ヶ崎勤教育長は、持ちコマ数の軽減の必要性を指摘しつつも、「国が一律に定めることは校長の裁量を縛ることになり、上限が目的化したり教育活動の制限につながったりしかねない」と懸念を示した。一方、妹尾氏は「人材確保の基準と校長の判断などは矛盾する話ではない。法律で枠を決めて、その分の予算を確保していける制度を考えていくべき」と反論した。
全国連合小学校長会の植村洋司会長は持ちコマ数は都道府県ごとで大きな差があるとし、全国で一定程度に担保すべきだとした。