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一刀両断 実践者の視点から【第410回】

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「とうさん」は出てこない「ぞうさん」

 《「ぞうさん、お鼻が長いのね♪」歌わないで ゾウの飼育員が看板に込めた思い「いろんな性格の動物いるよ」》(まいどなニュース)という見出しの記事を見てハッとした。確かに声や音は人間以上に過敏であるのは見ても分かる。そして何よりその歌詞からもいろいろな様子が見えてくる。
 童謡の「ぞうさん」の歌詞には、「とうさん」は出てこない。子供にとって母親は全ての元でありこの世に生み出してくれたかけがえの無い存在である。しかし、そうした母の自覚が持てないままに母になって、望まない妊娠をしてしまうケースは多い。
 人間は他の動物と違って子供を作る作らないのコントロールが出来る。だからこそ、生命に関わる学びをしっかりと学べきではないだろうか。
 その学びは道徳の裁量時数で十分に扱えるがその実践をやっている学校はあるのだろうか。確かにこの「ぞうさん」の歌を聴くと微笑ましくもなり安心もする。子供が安心できる親になってもらう為の学びは親になる前に、出来れば中学校辺りでしっかりと教えるべきではないだろうか。親育は親になってからでは明らかに手遅れなのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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