校長先生、幸せですか?
16面記事住田 昌治 著
自走する組織をつくるリーダー論
『カラフルな学校づくり』『管理しない校長が、すごい学校組織をつくる!「任せる」マネジメント』などの著書を持つ元公立小学校長の新刊。「教職員には、自ら成長し、自ら行動できる力」があると信じ、働きやすい環境を整えることが校長の役割の一つとして、教職員の自走を後押ししてきた。著者の持論である校長は脇役に徹する「サーバントリーダー」型のリーダー論を展開する。
心の持ち方を変えることで「校長の孤独」(序章)から脱して、そのためには「『校長はこうあるべき』から抜け出す」(1章)ことが必要と説く。具体的には、なぜ教師になったのか、校長になりたかったのかと問いつつ、まず「自分を知ることから始める」。
「『幸せ』な校長になろう」(2章)とするためには、忙しいときでも「話を聴く」ことを大切にし、「『任せる』は『丸投げ』ではない」と意識しつつ「『現場業務』はできる限り手放す」。「自走する組織づくり」のために、相談しやすい「『機嫌のいい』校長に」なる。
学校経営を変えていくために自分自身の「”根っこの思い”」を大切にしつつ、「自ら変わること=自己変容」を呼び掛ける「学び続ける校長になろう」(3章)。
校長のリーダー論は十人十色。解き放たれるべき「思い込み」を示した「これから校長になる方へ」(4章)は、自身のリーダー論を点検するよすがとなるかもしれない。
(2420円 教育開発研究所)
(矢)